マッコイ・タイナー『エクスパンションズ』と、ライブ前のざわめき

 

2025年3月20日(木) 朝。ライブ当日。

 

昨日の雪が嘘みたいに晴れた日。けれど、まだ肌寒い。
春が来たと言い切るには、もうちょっと時間がかかりそうだ。

 

今日はライブ。しかも、即興。
準備しようにも準備のしようがない。
だから、何をするでもなく、ただ落ち着こうとしている。

 

コーヒーを淹れる。
でも、湯気は出ない。
そういう季節になったんだなと思う。

 

音楽をかける。
マッコイ・タイナーの『エクスパンションズ』。
力強くて、スピリチュアルで、どこか別の世界への扉を開けてくれるような一枚。

 

音が鳴ると少しだけ落ち着く。
でも、そのすぐあとに「自分はどうする?」と問われる。
緊張と期待が、まるでピアノの低音と高音みたいに交互にやってくる。

 

即興のライブは怖い。
どこへ向かうのか、何が起こるのか、全部その場で決まる。
「うまくいくかな?」と不安になりながら、「何かが生まれるかもしれない」という期待も同じくらい強い。緊張と楽しみがぎりぎりのバランスで揺れている。

 

先人たちは、こういう気持ちをどう乗り越えていたんだろう。
いや、もしかしたら乗り越えたりなんかせずに、そのまま抱えたまま音を出していたのかもしれない。
それなら自分もそうしよう。

 

音がどこへ向かうのか自分にもわからない。
それが即興の醍醐味だ。

 

今夜はライブ。ぜひお越しください。

 

東北沢OTOOTO

3月20日(木) 夜

■Teruyuki Kurihara (Electronics)

■Masaya Kato (Electronics, Objects)

■Straytone (Modular Synth)

Open19:00/Start19:30 2,500yen

お越しの方はご予約をお願いします

https://otooto.jp/reservation

otooto

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