【2020年5月】耳ひらく視聴覚室│今月のリスニングメモ

耳ひらく視聴覚室」と題して、その月によく聴いたり、新しく見つけたアーティスト・音源をまとめています。

 

今月はとくに意識していたわけではありませんが、Kali Malone や Klara Lewis などの女性アーティストを聴く機会が多かったです。音で異国にいるような気分になったり、ノスタルジックな雰囲気に子供の頃に見ていた視点を思い出すこともありました。

 

また普段ならアーティストがどんな機材を使って曲を作ったかということが一番気になったりするのですが、これらの作品はアーティストが住んでいる国や環境、日々感じている気持ちやバックグランドを知りたいと思ったことが驚きでした。

 

アーティストや楽曲がそう感じさせるのか、それとも僕自身の音に対する接し方が変わったのかはわかりませんが、音を作る側ではなく、純粋に音を楽しむリスナー側に戻れたことがうれしいです。

 

有名・無名、プロ・アマチュア問わず、この世には素晴らしい音が溢れていますね。それがインターネットによってすぐに聴ける環境にあるのはとても恵まれた時代だなとつくづく思います。

少し前置きが長くなってしまいましたが、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 

Kali Malone – The Sacrificial Code

スウェーデンのストックホルムを拠点とするサウンドアーティスト KALI MALONE (カリ・マローン)のサードアルバム The Sacrificial Code。2時間にも及ぶオルガン・ドローン。神々しい音色は空間と意識に寄り添い、身を委ねているうちにいつの間にか時間が経つことを忘れてしまうような錯覚に陥ります。

 

The Yellow Book (1894-1897) – Vienna Press

ネットサーフィンをしているときに見つけた Vienna Press というレーベルの The Yellow Book (1894-1897)という作品集。

ジャケットの雰囲気から音の質感を含めてレーベルのコンセプトすべてツボです。音が有機的に感じるのもオーストラリアを拠点とするレーベルということで大自然が近くにある影響もあるのでしょうか。以前に少しの間生活していたオーストラリア・メルボルンが懐かしくもなりました。

 

Isak Edberg – Ondulations

スウェーデンのストックホルムを拠点とするアーティスト Isak Edberg (イサク・エドヴァーグ)のアルバム。カリ・マローンを彷彿させるロマン派オルガン作品。

カリ・マローンもストックホルムを拠点としてるので何か関係があるかもしれないなと思っていたら、この作品をリリースした XKatedral というレーベルは彼女が設立したものだったんですね。

 

Klara Lewis – Ingrid Live at Fylkingen

スウェーデン出身のアーティスト Klara Lewis(クララ・ルイス)のライブ音源。Wire のメンバーでもある Graham Lewis (グラハム・ルイス) を父に持ち、Editions Mego から過去4作品をリリースするなど奇才。

このライブ音源を聴いたときに思い出したのがの William Basinski (ウィリアム・バシンスキー)の The Disintegration loops。長尺のチェロ?がじわじわとノイズに沈んでいく様に一瞬で虜になりました。

才能って遺伝するのか?それとも環境が才能を開花させるのか?とにかく素晴らしい音!

 

Sarah Davachi ‎- Dominions

カナダのサウンドアーティスト Sarah Davachi (サラ・ダヴァチ)が2016年に Jaz Records からリリースしたアルバム Dominions。

アナログシンセやモジュラーシンセを利用して作られる彼女の作品は、どこか懐かしい雰囲気があり、温かみを感じます。

過剰なエフェクトも大きな展開もない優しいドローンがスウッと心と身体に溶け込んでくるようで病みつきになり何度聴きたくなる。リラックスやメディテーションにも効果がありそうです。

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