Sonic Youthのファーストアルバム「Sonic Youth」にはアートを感じる。
このアルバムはポップさと実験性、アート感が絶妙なバランスで成り立っている。
40年前の作品なのに色褪せない魅力的なアルバムSonic Youthの「Sonic Youth」について、備忘録として書きました。
Sonic Youth(ソニックユース)とは
Sonic Youth(ソニックユース)とは、1981年にニューヨークで、サーストン・ムーア、キム・ゴードン、リー・ラナルド、リチャード・エドソンが結成したロックバントです。
このバンドは、当時のパンクやノイズシーンに新しい風を吹かせ、音楽に対する新たなアプローチを提示しました。
彼らの目的は音楽の演奏に留まらず、音楽を通じてアートの可能性を探求することにあったようです。
ファーストアルバム(EP)「Sonic Youth」
1982年、Sonic Youthは自らの名を冠したデビューアルバム「Sonic Youth」をリリースしました。
このEPは、”The Burning Spear”、”I Dreamed I Dream”、”She Is Not Alone”といった楽曲を含む5曲を収録。
このアルバムは、後に彼らが追求する音楽の方向性を示唆する、実験的なサウンドと独自の世界観がすでに出来上がっています。
「Sonic Youth」の実験的サウンド
Sonic Youthのデビューアルバムは、特にギターワークにおいてその実験性が現れているように感じます。
変則チューニングの採用、ギターへの物理的介入(例えば、ドラムスティックやスクリュードライバーを弦に挟むなど)により
従来のポップミュージックではあまり見られなかった独自の方法で音響効果を生み出しました。現代音楽や実験音楽からの影響かもしれませんね。
これらの技法は、後のアルバムでさらに探求され、Sonic Youthのサウンドの特徴となっていきます。
「Sonic Youth」全曲解説
Sonic Youthのファーストアルバム「Sonic Youth」は、彼らの音楽キャリアのスタートであり、後の作品に通じる実験的な要素が初めて表現された重要な作品。
ここではアルバムに含まれる曲を個人的な視点から簡単に解説します。
- “The Burning Spear”
アルバムの1曲目”The Burning Spear”は、Sonic Youthの音楽的アイデンティティを象徴しているように感じます。反復的なリフとノイズ、バンドの実験的なサウンドスケープを聴くことができます。サーストン・ムーアのボーカルはPILのジョン・ライドンを彷彿させます。
- “I Dreamed I Dream”
ゆったりとしたテンポと変則チューニングを使った不協和音混じりのギターストロークが特徴的です。この曲はアルバムの中でも比較的落ち着いたテンポ感ですが、キム・ゴードンとリー・ラナルドのボーカルが緊張感を漂わせながらも、とても幻想的。僕はこの”I Dreamed I Dream”が、このアルバムの中で一番好きです。
- “She Is Not Alone”
“She Is Not Alone”は、繰り返されるギターとベースのリフとパーカッシブ?民族的?何とも言えないリズムが印象的です。ノイズだけではなく、こういった面白いリズムのアプローチからもSonic Youthの音楽に対する実験性を感じます。
- “I Don’t Want to Push It”
“I Don’t Want to Push It”は他の楽曲と同様に、変則的なギターチューニングとノイズを積極的に取り入れたサウンドが特徴。曲は比較的シンプルな構造を持っているものの、その中にギターのフィードバックやディストーションを駆使した即興的な演奏で枠に収まらない世界観を作り出しています。
- “The Good and the Bad”
アルバムの最後を飾るこの長尺のインストゥルメンタルトラックは、Sonic Youthの音楽的アプローチの集大成とも言えるかもしれません。展開豊かなギターワークとリズムセクションの相互作用が、後の彼らの方向性を予感させます。
アルバム「Sonic Youth」はSonic Youthがこれから歩む音楽的探求の出発点。各トラックは、バンドが後にさらに発展させることになる実験性と革新性を感じさせます。
ファーストアルバムからこんな確信的なサウンドを作ってしまうなんて、本当に凄い。