THE POP GROUP代表作『Y』 革新的な音楽性と社会批評を兼ね備えた名盤

今日は最近よく聞いているポップグループ(THE POP GROUP)のアルバムYについて備忘録を。

 

ぼくがこのアルバムを意識して聴くようになったのは、今から10年くらい前に下北の居酒屋で、尊敬している映画監督からポストパンクやニューウェーブ・ノイズについての話を聞いてからだったと思います。

 

その話の中に出てきたのが『パブリック・イメージ・リミテッド』や『ノイバウテン』そして『ポップグループでした。

 

これらのアルバムを聴くと、ワクワクしながら話を聞いていたあの時のことを思い出します。

 

 

THE POP GROUPの代表作「Y」

アーティストポップグループ(THE POP GROUP)
タイトルY
レーベルRadar Records
リリース/年1979年


トラックリスト

01.Thief Of Fire
02.Snowgirl
03.Blood Money
04.Savage Sea
05.We Are Time
06.Words Disobey Me
07.Don’t Call Me Pain
08.The Boys From Brazil
09.Don’t Sell Your Dreams
10.She is Beyond Good and Evil
11.3:38

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ポップグループ(THE POP GROUP)は、1970年代後半にイギリスで結成されたポストパンクバンド、彼らのアルバム『Y』は、1979年にリリースされた2枚目のスタジオアルバム。

 

このアルバムは、彼らの初期の音楽的スタイルをさらに発展させ、ポストパンク・ニューウェーブシーンにおける傑作の一つと言われています。

 

『Y』の音楽性は、ポストパンクの特徴であるフリージャズ、ファンク、ディスコ、ダブなどの要素が混ざり合っていてかなり実験的です。今聴いてもかなり実験的だと思うのですから当時はもっとインパクトのある作品だったのではないでしょうか。

 

アルバムのオープニング曲『Thief of Fire』は、パーカッシブなビートに乗って、ギターのリフやホーンセクションがフリージャズ的に展開。そして、マーク・スチュワートのエクスプレッシブなヴォーカルが加わり、まるで怒りに満ちたスピーチのような形で歌詞が響き渡ります。

 

この曲は、ポップグループ(THE POP GROUP)のアイデンティティを象徴する楽曲の一つであり、その後のポストパンクやニューウェイヴに多大な影響を与えたと言われています。

 

 

またこのアルバムはレゲエのベテラン・ミュージシャンであるデニス・ボーヴェルがプロデュースしています。

 

デニス・ボーヴェルと言えば、ぼくの大好きなアルバム坂本龍一教授の『B-2 UNIT』のプロデュースをした人物です。

 

教授がポップグループの作品を知ってデニス・ボーヴェルにプロデュースを依頼したのかは定かではありませんが、ダブサウンドを掘り下げた『B-2 UNIT』は世界初のテクノ・ダブの名盤とも言われているそうです。

 

 

THE POP GROUPのメンバー

THE POP GROUPのメンバー

ボーカルマーク・スチュワート(Mark Stewart)
ギタージョン・ワディントン(Jon Waddington)※旧メンバー
ギャレス・セイガー(Gareth Sager)
ベースサイモン・アンダーウッド(Simon Underwood)※旧メンバー
ダン・カトシス(Dan Katsis)
ドラム・パーカッションブルース・スミス(Bruce Smith)

 

 

THE POP GROUPの魅力

ポップグループ(THE POP GROUP)は、ポストパンクの中でも独自の音楽性を解き放っています。その魅力をいくつか挙げてみたいと思います。

 

ポリリズミックなサウンド

ポップグループ(THE POP GROUP)は、ファンクやジャズ、ディスコ、ダブなどの音楽ジャンルから影響を受けたサウンドをブレンドして独自の音楽を作り出しています。特にポリリズムが特徴的でリズムの複雑さがバンドの音楽性をさらに際立たせています。

 

独特なギターサウンド 

ポップグループ(THE POP GROUP)のギタリスト、ジョン・ワディントン(Jon Waddington)は一般的なギタリストとは違い、ギターをギターとして弾くのではなく、自分の出したい音を表現するためにギターという楽器を使っている、といったような感じがします。エフェクトを駆使した独自のフレージングや音の間、どれも独特です。

 

ベースフレーズの多彩さ

サイモン・アンダーウッド (Simon Underwood) のベースフレーズは、単純なリフから複雑なフレーズまで多彩に展開します。彼のフレーズはバンドの曲においてメロディアスな要素や、ハーモニーの機能を果たすこともあり、曲にグルーブとともにキャッチーさも与えているように感じます。

 

独特なボーカルスタイル

マーク・スチュワート(Mark Stewart)の力強く過激なボーカルスタイルは、THE POP GROUPの音楽的な特徴の一つとなっています。彼の声は社会批評的な歌詞と相まって、聴衆に強いメッセージを伝えているようです。

 

錯綜する音楽性

ポップグループ(THE POP GROUP)の音楽は、ジャンルを超えた複合的な要素が絶妙に組み合わさって、聴き手に新鮮な驚きを与えてくれます。その音楽性は当時の音楽シーンでも斬新だったと思いますが、今聴いてもとても新鮮です。

 

 

THE POP GROUPライブ

1980年のライブ。

 

こちらも1980年。テレビ出演のときのものでしょうか。

 

THE POP GROUPのアルバム『Y』まとめ

THE POP GROUPのアルバム『Y』について備忘録としてまとめてみました。

 

このアルバムは聴けば聴くほどに新しい発見があります。まるでアート作品を見ているかのようです。

 

「魅力的」というよりも「魅惑的」な作品。

 

また合わせてプロデューサーとして参加したデニス・ボーヴェルのことから坂本龍一教授のB2ーUNITのこと、70年代後半から80年代初頭の時代背景なども今後掘り下げて考えてみたいと思います。

 

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