William Basinski(ウィリアム・バシンスキー)のDisintegration loopsをご存じでしょうか?さいきん僕はこのアルバムをヘビーローテーションしています。
このページではWilliam Basinskiについて、Disintegration loopsの制作背景など、忘備録として書き記したいと思います。
William Basinski – Disintegration loops
William BasinskiのDisintegration loopsをみつけたのは、何気なく音を探してネットサーフィンしていたときのことだったと思います。
なんとも言えない淡い色の夜景のアルバムのアートワークに惹かれて再生ボタンを押しました。(後日わかったことですが、これは9.11の瞬間を撮影したものらしいです。)
永遠と同じループが一時間ちかく繰り返されているだけでとくに大きな変化ない作品ですが、耳の鼓膜に軽く触れるような質感がとても心地良く、不思議なことにずっと聴き入ってしまいました。
作業をしながら聴いていると、いつ間にか頭の中にヨーロッパのノスタルジックな街が思い浮かび、その景色の中をリラックスしながら歩いているような気分に。
ふと我に返ると作業の疲れなど一切消え去っていて、先ほど頭の中に映し出された景色のなか同様にリラックスモードでいる自分がいました。
「音楽は身体に作用する。」
これがWilliam BasinskiのDisintegration loopsをはじめて聞いた時に体験したことでした。
Disintegration Loops 制作背景
89年に制作途中だったテープ音源をCDでリリースするために編集・再録音する途中、テープが古かったせいなのか徐々に劣化をはじめ、最終的に再生が不可能な状態に。
この途中で偶発的に生まれた音をそのまま作品に落とし込み「Disintegration Loops」が誕生したそうです。
またこの数日後に「9.11事件」が発生。
Williamはブルックリンの自宅にある窓から見える黒煙を目のあたりにし、カメラを回したそうです。
この時に録画された映像の中の一部がアルバムのアートワークとなっており、この作品は9.11事件に捧げられました。
William Basinski(ウィリアム・バシンスキー)プロフィール
William Basinskiはアメリカを代表するミュージシャン、作曲家。古いオープンリールデッキやテープループを使って70年後半から現在に至るまで実験音楽を作り続けている重鎮です。
実験音楽家の中には楽器が演奏できない人もたくさんいますが、William Basinskiはクラシックの教育を受けたクラリネット奏者で、大学ではジャズ・サキソフォンと作曲を学んでいます。
スティーヴ・ライヒやブライアン・イーノなどの影響からアンビエント、ミニマルミュージックに興味を持ったWilliam Basinskiは、オープンリールデッキを使った実験を繰り返し、独自のスタイルを確立します。
その後、イギリスのレーベル Dutroを皮切りに、ドイツの前衛レーベル Raster-Notonなど世界各国さまざまなレーベルから作品をリリース。多くの賞賛を受けます。
また自身の楽曲のミュージックビデオの製作、上映。LA在住のビジュアル・アーティストJames Elainとのコラボレーションなど、音楽製作だけに留まらず、多肢にわたり創作活動を行っています。
ファーストアルバムはRaster-notonからリリースされていた
調べているうちにわかったのですが、William BasinskiのファーストアルバムはドイツのRaster-notonからのリリースだったんですね。大好きなレーベルだったのでWilliam Basinskiがリリースしていたと知ってすごく嬉しかったです。
このアルバムはテープループと短波ラジオを使って制作されたアンビエント・ドローン作品でDisintegration loopsとはまた違った印象がありました。しかし、楽曲の持つ本質的な部分で共通しているのはひしひしと伝わってきます。
ファーストのときからWilliam Basinskiの世界観は確率されていたんですね!
リリース詳細
タイトル: The Disintegration Loops
レーベル: Temporary Residence Limited
カタログナンバー: TRR224
フォーマット: CD
トラックリスト
1. Dlp 1.1
2. Dlp 2.1